アーノルド・ローベルは、コルデコット賞を複数回受賞している20世紀アメリカを代表する絵本作家の一人。
既に1987年ニューヨークの病院で他界しているのですが、リンカーンセンターで追悼の会が行われています。
「ふたりはともだち」は小学校の教科書にも掲載されています。
この作品は、そのアーノルド・ローベルの新刊です。
最後に実娘で絵に彩色を施したエイドリアン・ローベルが、この作品誕生秘話を明かしています。
アーノルド・ローベルが知人に送った絵本がオークションにかけられ、それを入手したジャスティン・シラーという絵本コレクターが連絡してくれたのがことの発端なのです。
実に1960年代の未発表の作品に、娘が彩色して新刊として世に出たという非常に貴重な作品と言えるのです。
しかも、カエルとヒキガエルを描いたのは、この作品が最初というのですから驚きです。
作品は、10のショートストーリーが集められたもの。
詩とも言える文章が添えられたもので、他愛もない話ではあるのですが、作品の生まれた背景を思うと、何度も読み返さずにいられませんでした。