くいしんぼうの しろぶたくん。
歩く先に見つけたものは、りんご、レモン、メロンにぶどう・・・
まるで夢の中で見たような光景が繰り返される、この絵本。
ストーリーはシンプルですが、そのおっとりとしたテンポが 心地よいです。
そして、ページをめくるたびに目に飛び込んでくる鮮やかな色彩は
大人の私もじーっと見入ってしまったほど。
特に、果物の描かれ方がとても好き!
メロンひとつとっても、今にもあまーい匂いがしてきそうです。
食べた果物は、しろぶたくんのお腹の中で
絵の具をポタっと落としたような、
優しい色合いの「まる」になります。
他の色のぶたさんも登場しますが、
「しろぶたくん」が主人公になっているからこそ
しっくりとくる、この物語。
口に入れたものは、目には見えなくなってしまうけれど
たしかに自分の身体の一部になっているんだよなあ・・・。
「食べたものが、命につながる」
小学生の頃に、家庭科の授業で先生が言っていた言葉を
久しぶりに思い出しました。
大人にも、子どもにも
目にも心にも、優しい絵本です。