表紙の酒井駒子さんの絵の雰囲気に
ひっぱられるからか、なんとなく
グレーな、明るくはないイメージをうけます。
なんでだろう、子どものとき独特の
物憂い感じというか、人生楽しいことばかりのように
見える子ども時代の、ちょっとグレーな部分が
クローズアップされているというか…。
母親との関係のうまくいかなさ具合とか、
はたからみたら、そんなにたいしたことでもなさそうなんだけど
本人にしたら結構重大なことというか、
生活にどっぷりかかわることだし、でも、
大人には気を使う子どもという立場であり…。
という、なんとも複雑な子ども時代の気分を思い出します。
さすが、子どもの心情を描き出す達人の岩瀬さんの物語だと
感心します。