読み聞かせ終えた息子が、
「オオカミとコブタが助かって良かったけど、シニガミさんは、オオカミとコブタの命を助けてしまって、神様に怒られなかったかな。」
彼曰く、シニガミさんは神様の子分だから、ちゃんと自分の役目を果たさず、勝手に神様のような振る舞いをして、この後のシニガミさんがどうなるのか、とても心配なのだそうです。
息子は今ちょうど、空想と現実の世界を行き来できるこども時代の終わりに、差し掛かっています。
サンタクロースの存在を信じられる最後の年かもしれません。
「大丈夫。シニガミさんがオオカミとコブタを見守っていたように、神様もシニガミさんを見守って下さっているからね。」
そう言ってやると、安心して眠りに就きました。
息子の寝顔を見ながら、いつか年老いた日に、どんなにか今日が愛しく思えるかと想像すると、この巡り会わせを与えられた喜びに涙が溢れてきました。