「最後にお父さんに会えてよかったね」が5歳の息子の読み終わった後の感想でした。
大人だと、きっとどうして白黒? とか、その意味付けをしたくなってしまうものですが、
子供ってそんなことは関係ないのかもしれませんね。
以後は、大人の私の意味づけですが、
一番最初に見つけた答えは、
ああ! そうか! 1ページ目に、雪が止んで、だからお父さんはおばあちゃんちに
雪かきに行ったって書いてあったっけ。
だから、なるほどなるほど、あたり一面銀世界なわけなんだ...
それを白黒で表しているのか!と思ったら、
キッコちゃんと同じようにあたり一面雪でつつまれた、とても静寂な森を歩いている気に
なってきました。
でも、どうしてキッコちゃんだけ色がついているの?と思うと、
ああ、そうか! きっと、キッコちゃんだけ現実なのかも。
あとは幻想? と思うと主に主人公だけに色がついているのも
とっても効果的に感じられました。
そして、お茶会の動物たちの優しさのいっぱい詰まったケーキにも、
色がついているのも、実存するものだからかな?
きっと子供は、こんな意味づけをしなくても、肌ですべてを感じられて
しまうのかもしれませんね。
私自身が一番気に入っているページは、お父さんと思って追いかけて行って、
その後にクマだと分かった時の、窓の外から覗きこんでいるキッコちゃんの
「あんぐりと驚いた顔」です。
それと、ケーキのページの、ねずみさんのケーキがねずみさん用に
小さいところが、作者:みやこしあきこさんのお茶目さが出ているのかな?と
微笑ましかったです。
白黒の絵本というと、真っ先にエッツ作『もりへ』を思い出しますが、この本の中の
白黒には、太陽の光や暖かさもその白黒の比率で表されているのが感じられ、
別物のように感じます。
冬になると思い出す絵本の中の1冊になりそうです。