カラフルできれいな家族の中で、1人だけまっくろなネリノ。だから、暗いところにいると、誰にも見えません。これは、彼の存在の薄さを暗に表しているのでしょうか。いつも1人で悲しそうです。そこで、生まれつきの自分を否定して、薬を飲んで色を変えようとまで思いつめてしまいます。
ところが、事件をきっかけにして、今まで自分の短所だとばかり思っていた黒さを長所としてとらえることができたのです。今まで自分をのけ者にしていた兄弟を助ける、彼の勇気と優しさが、胸にしみます。
シンプルですが、とても色使いがきれいで、カラフルな鳥達がとてもかわいいです。
何度も読みたくなるような、不思議な魅力がたっぷりです。読み終わって、心が温かくなりました。