賛否両論あるようですが、私はいじめてしまった側の気持ちがしっかり書かれているという点で、とてもよい作品だと思います。
いじめてしまった側のカラスが、過去を振り返るように、いじめに屈しなかった勇敢なチビガラスについて語るという設定。
その語り口から、悪いことをしてしまったという後悔の気持ちを、私は十分に感じました。
そして、チビガラスに対して、驚きと共に尊敬の気持ちを強く抱いているということも感じられました。
いじめの場面は、読んでいてとても辛いです。
いじめられたチビガラスの心の傷は、たとえ仲間に入れてもらえるようになったとしても、決して消えないでしょう。
けれど、いじめはどの学校でも起こっているのが現実。
決して加害者・傍観者にならないために、いじめてしまった側の気持ちに立ってみるというのも必要なのではないでしょうか?
いじめた側のカラスは、年老いてもずっとその時のことを悔んでいるのです。
お子さんに読み聞かせる年齢やタイミングは慎重に選ぶべきですが、読んだあと「いじめ」を親子で話し合えるよい絵本だと思います。