まったくすごい絵本である。表紙からいきなりオレンジ色に爆発している。爆発といっても爆弾じゃなくて、太鼓の音のこと。
ニンゲンの子どものこうちゃんのうえに、オニの子どものドンが落っこちてきてから、太鼓をたたく輩がどんどん増えていく。二人のお父さんとお母さん、ネコに犬にニワトリにウシ。みんな太鼓をたたいている。そしてついにニンゲンの世界からも、オニの世界からもみんなが集まって、太鼓をたたくおとでいっぱいになる。
この場面では、太鼓をたたく者と太鼓の音でいっぱいだ。そしてついに、そのときがやってくる。
みんなのたいこの音が「ドオン!」と一つになったのだ。絵本には表現されていないが、このとき、一瞬の間があったと思う。シーンと静まりかえったはずなのだ。そして場面は笑顔と笑い声でいっぱいになるのだ。
こんなに読むが難しい本を描いたのは誰かと思ったら、その分野では只者ではない二人の作品だった。
読み始めたら、もう前に進む、いや突進していくしかないような絵本を子どもたちならわかってくれるだろう。笑顔で読んでくれるはずだ。