小さなさかなの仲間たちの中で、ただ一匹黒いスイミーの活躍がダイナミックです。
小さいために、大きな魚にまとめて一飲みされてしまうような弱い魚です。
大きなマグロに対抗するにはどうしたら良いのでしょう。
スイミーの考えついたのは、集団の結束力でした。
レオ・レオニの表現法も突飛で印象的です。
多分同じ魚の版をスタンプのように大量に押して、没個性的な集団を個性的な強い意思表示の塊に変えたのです。
セルロイドのような透明感のある絵や、スタンプされた絵の具の着色をそのままに構成していて、妙な面白さがあって親しみのある絵本です。
赤い小さな魚のスタンプで大きなマグロの形を仕上げたところが、とてもパワフルです。
スイミーの機知と活躍、海の中の世界を楽しみました。