強くていさましいと頼られるライオン。
ネコたちのために空をとんで獲物をつかまえごちそうしてあげます。
でも本当は昼寝が趣味なのに。
ネコたちはそんなことは信じません。
来る日も来る日もライオンは疲れた体に鞭打ち、獲物を捕まえに行きます。
ある日とうとう・・・。
ライオンは決してネコに命令されて行かされていたのではありません。
自分が行かなくてはという責任感や頼られる者としてのささやかな優越感からの
行動なのだと思います。
まさに体がぼろぼろになるまで働いてしまうサラリーマンのよう。
ライオンは金色の石になり眠り続けます。
「きっと 疲れてたんだ」という言葉で目が覚めるライオン。
ライオンはネコのために空を駆けるのが嫌になったのではありません。
ただ一言の、ねぎらいの言葉、自分のことを思ってくれる言葉があればよかったのです。
現代社会を生きる大人に対するメッセージのような気がしました。
大人向きの内容だったので、息子はどう感じたのだろう?と思っていたら
意外な答えが返ってきました。
「嫌なときには嫌って言わないとダメなんだよね」
客観的にとらえているんだなと少し驚きました。
子供の世界も複雑になってきている世の中。
本音を言えない、でも認めてもらいたいという心情を身近に
感じているようです。