本屋で偶然手に取ったのが『いつも だれかが…』でした。
読んでみると忘れられない内容で、いつも気になる存在になりました。
なにがそんなに気になったのかというと、
ひとつは、おじいさんを一人でお見舞いに行く少年の姿です。
きっとおじいさんに会うことが毎日の習慣になっているのですね。
小さな頃は、おじいさん見守られて育った少年が、
今は少年がおじいさんを見守っている。
とてもすてきなことだと思いました。
そしてもうひとつは、おじいさんを見守っている天使の姿でした。
だれかにいつも見守られている、
そんな風に思えたら、毎日がんばって生きられるような気がします。
きっと生き方だってかわってくるでしょう。
最後のページは、
少年が公園を通って、病院から帰る姿が描かれています。
影もながくなり夕暮れどきなのでしょう。
石をける少年の後ろには天使の姿があり、
おじいさんの死が暗示されています。
きっと少年もおじいさんも、その死を受け入れられることと思います。
だれかに見守られているって、そういうことだと思うのです。