ホスピスのベッドの上で、おじいちゃんが孫に自分の人生を語ります。
「わしはなにをしても うまくいったんだぞ。」
おじいちゃんの語りは短いけれど、どのページの挿絵も深い深い意味があります。
まるで肝っ玉かあさん(!)のような天使がいつも寄り添って、彼を守っていてくれています。
おじいちゃんの話は飛び切りドラマチックなわけではありません。
天使にも運命を変えられない戦争の話も出てきます。
それでもなぜか、読み終わった後に、平々凡々でも生きている事の幸せに包み込まれたような気がします。
訳者上田さんの「あとがき」も一層この本に深みを加えています。「あとがき」を読んだ後、もう一度読み返すと色々な事が見えてきますよ。
私も今こうして暮らしていられるのは、何かに守られているから、時々起るいやな事は、よりよい人生を送るためのジャンプ台って考えるようにしています。