科学者としてお仕事をするママの代わりに、パパは主夫業に大忙し。ある夏のこと、庭のプラムが大豊作でパパはジャムを作り始めた。最初はママも子供たちも大喜びだったけれど、次の日も、また次の日もパパはジャムを作り、家中とうとうジャムだらけ。朝、昼、晩とジャムづくめ。どうなっちゃうのでしょう〜?
最近のうちの大ヒット絵本。近所にこれと同じプラムの木のある家が何件かあり、毎年夏になると実り過ぎて木の下、屋根の上、プラムだらけでおそうじするのが大変ーなどと同情していました。実はうちにはりんごの木とさくらんぼの木がそれぞれ2本ずつあります。さくらんぼはいいのですが、りんごの方がこれまた(年によって違いますが)実り過ぎて、この絵本のパパのような大忙し!を体験しています。毎日アップルソースを煮て、りんごのケーキを焼き、ご近所にお配りして……。それでも、りんごの実は限りなく木から落ち続け、鳥や虫たちにも食べてもらっていますが、短期間に大量にとれるので確かに処理が大変なのです。だから、こんな風にジャムを作り続けたパパの気持ちがすごくよくわかります。無駄にしたくないと思ってしまうのですよね。作品中には、このパパの奮闘振りがユーモラスに描かれています。息子はジャムの夢にうなされるページに、わたしは最後のページに大笑いしてしまいました。
ほのぼの温かく笑える絵本です。(それもそのはずマーヒーとクレイグのコンビとくれば、はずれるはずのない絵本です。)邦訳もダジャレが効いていて面白かったです。ジャムの作り方が載っていて、自分の好きな実践絵本とユーモア絵本がドッキングした、とてもおいしい内容の絵本でした。
ただ、原書もこの版のように小さいのでしょうか。大判の方が大量のジャムが登場するだけに、迫力が出るのではと思いました。
就学前後のお子さんからどうぞ。