白雪姫の話が、こんなに長いことを子供達はこの本で初めて知りました。
幼児向けに短く書き直された話は、魔女のお妃、七人の小人、毒リンゴ、王子様に助けられるハッピーエンド・・・といったエッセンスだけで構成されているのがほとんどではないでしょうか。魔女のお妃が3回も森の中の家を訪れていることや、小人達に厳重に注意されているのに3回もお妃の罠にはまってしまうほど白雪姫がおばかさんであること(いいすぎかしら)、お妃は熱く焼かれた鉄の靴をはかされて死んでしまうことなどは、残念ながら書かれていないことが多いと思います。
でも、残酷な場面だからと言って、安易に割愛してしまってよいのだろうかと思うのです。長く読まれて来た物語には、大人の浅智慧をはるかにしのぐパワーがあると思います。その意味で、この絵本は子供に本物を教えてくれるすばらしい絵本だと思います。
言わずもがなですが、絵は魅力的です。特に森の植物や動物には魅せられます。