50年前のバーニンガム作品ですが、色あせないで力強い。羽なしガチョウの冒険という副題からも理解できるように、これはいのちの作品にも思えます。
6羽の兄弟姉妹のうち、1羽のボルカだけが羽毛がなくて…。哀しくて、あるいは美しく変化して、な〜んて似た話はどこにでもありますが、この作品の素晴らしい点は、あるがままに進み、それを受け入れて、出会いを生み出すところです。だから絵の印象も、どこか奥深い。イーストアングリアの、厳しい環境を背景に感じながら、ひとも捨てたもんじゃないなあって、マッカリスター船長をみて惚れました。
ジョン・バーニンガムの、子ども向けだけに絵を描かない姿勢が好きです。感謝。