渋い色合いが効いている絵本です。
男の子と擬人化した椅子の毎日が描いてあるだけですが、実はこの両者はとても深い絆で結ばれているのです。
小さい子どもは、おもちゃや文房具や洋服等と特別な関係を結ぶことがあります。
「どうしてもこれじゃないとだめ」とか「どこに行くにも一緒じゃないと嫌」と言って、他人になんと言われても、手放さないってこと、よくありますよね。
拾ってきた椅子なので、お母さんに捨てるように言われ、「どうしてもすてたくないの」と答えたときから、男の子と椅子の密接な関係は始まり、二人(?)の楽しい毎日が展開されるのです。
ぬいぐるみとか毛布とか、生物ではないモノと密接な関係にあるお子さんには、妙に納得してしまう絵本だと思います。