子どもの頃から何十回となく読んだおぼえがあり、日本の子どもたちもどこかで必ず読み聞かせなり読んだりしている馴染みの深い話です。
息子もストーリーを知っていましたが、今回読み聞かせしてみてあることに気付きました。
それは自己犠牲を買って出たあおおにのこと。あおおにが身代わりになることを申し出た時に
「なんとなく、ものがなしいげな目つきを見せて」とあり、そこには今後自分はどうすべきかまでを汲み取った覚悟があるような気がしたのです。
今まで、あおおにはあっさりと身代わりを引きうけたような気がしていたので、私としてあおおににはこんな気持ちがあったことを知りました。
おそらく子どもの頃には、全体像ではなく主人公のあかおにの方に感情移入して読んでいたんですね。
もう一つ、あかおにの部屋に応接間がありそこに絵が飾ってあったことも今回初めて気がつきました。
巻末には、原作全文を掲載とあるので、私が今まで読んできたものはダイジェストだったのかもしれません。
再度読んでみて、自己犠牲、友情、後悔、ほろ苦さ、いろいろな気持ちが読みながら湧き起こってきました。
話を読むということは、読んでいる間だけではなく、読んだ後にも心の中に話は残りますし、話の中にある気持ちを汲み取ったり寄りそったりする追体験をするものであるなあというのを改めて感じました。
一度だけでなく繰り返し読む効用というものですね。
子ども時代に何度も繰り返し読んで心に残る本って、どのぐらいあるのだろうと思いました。