子供がピアノの発表会で、この「泣いた赤おに」の歌を合唱することになりました。(音楽の教科書にも載っているそうです)そして、まだこの絵本を読んだことのない娘のために、図書館で借りてきました。私も、全文を掲載されたものを読むのは初めてだったので、とても新鮮な気持ちで読むことができました。
一冊の絵本の中に、作者が伝えたいことがいくつもいくつも伝わってきます。長いお話しなのですが、細やかな描写によって情景が目の前に浮かび、一気に読み進めてしまいます。
「鬼」だということだけで村人に受け入れてもらえない、赤鬼の歯がゆさ、苛立ち、悲しさ。赤鬼のためにすすんで悪者になろうとする、青鬼の優しさ、友情の深さ。見た目や目に見えることにしか信じようとしない、人間たち。
最後の青鬼の書いたはり紙には、赤鬼への深い思いやりが凝縮されています。
本当の友情、優しさ、思いやりについて考えさせられる名作です。全編を通じて綴られる日本語の美しさも、しっかり味わってください。