「おばけだ!おばけのオーリーが湖にでた!!」湖しゅうへんはおおさわぎ!
でも、ネタをばらしてしまうとこれはアザラシだったんです。つまり日本のたまちゃんと、いっしょ。
このお話はエッツという作者が今から八十年以上昔に書いた物語です。絵はマンガと、はん画のような白黒のそぼくな絵ですが、アザラシがなんともかわいらしく、出てくる人も昔風の服だったり、車だったりしてぼくたちの知らない昔のアメリカの生活を感じることができます。絵だけでも楽しいです。
そして、あかちゃんアザラシオーリーはちょっとしたことでお母さんから引きはなされてしまいます。
いろんな人の手で育てられたオーリーが、その後どんな旅をするのかは読んでみてくださいね。
(お母さんに)絵の力も、物語の力も十分感じられる本です。一見地味な印象を感じの白黒の絵も、デッサン力の高さによって現在のカラフルな絵本に引けを取らない絵の魅力を引き出しています。物語の構成力も高く大人も引き込まれてしまうテンポがあります。話はアザラシのオーリーを中心に、そのオーリーで一儲けしようと考える人たちなど、人間もきちんと描写されています。小学生中学年頃から楽しめますが、福音館松井直氏も「子供が確実に喜ぶ物語性があり」と著書で述べられているように、よみきかせによって、お話の好きな子供なら幼稚園児でもオーリーと一緒に旅の展開を楽しみにして聞ける、そんな内容の本です。