くまさぶろうは泥棒さん。
遊んでいた子どものシャベルをとったり、雨降りの日に紳士の傘をとったり。
とられた人が分からないくらい見事に盗む、一流の(?)泥棒なんです。
ところがある日、くまさぶろうは人の気持ちを盗むことができるようになります。
転んだ女の子の痛い気持ちをとったり、いじめられた男の子のみじめな気持ちをとったり。
もちろんくまさぶろうは自分が痛くなったりみじめになったりするのですが、元気になった子どもを見て、嬉しい気持ちを感じるようになり・・・。
なんだか不思議なおはなしだな、という読後感。娘も、「いい人になっちゃったの?」と釈然としない表情。でも、次の日も、そのまた次の日も、寝る前に読む本に選びました。「なんとなく好き」なんですって。
独特な絵と、不思議なストーリー。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、印象に残る絵本であることは確かです。