スコップにコロッケ、動物園のゾウも簡単に盗むことができる泥棒の名人、くまさぶろうは、
あるとき人の心をぬすむことができるようになります。
くまさぶろうは、
痛くて泣いている子の痛い気持ちや、
いじめられている子の情けない気持ちをぬすみます。
すると、痛い気持ち、情けない気持ちになります。
だけど、元気になった子どもたちを見ていると、
痛みも悲しみも、うれしい気持ちにかわっていきます。
“泥棒”のはずのくまさぶろうが、
いつのまにか、やさしいおじさんになってきます。
やさしさを直接押し出すような表現はありませんが、
じんわりと伝わってくるものがあります。
(“じんわり”という言い方がイチバン合っている気がします
読後感は“あったかい感じ”、まさにこれじゃないかなーと思います。
絵の線が細いこともあり(とても繊細なのですが
読み聞かせをしたときには後ろの子は少し見にくいようでした。
そんなに長くなく、わかりやすいお話なので、
小学2年生の子たちは真剣に聴いていました。