本物そっくりの絵にまずびっくりです。ウチの娘はバナナが大好きで、「はい、どうぞ」というと私を見上げて「バナナくれるの?」とでもいいたげなうれしそうな顔をするのでちょっと困っているのですが。
この絵本は、見るからにおいしそうに描かれているくだものはもちろん、そのくだものを差し出してくれる「手」がとても良いです。温かくて、優しそうな「手」。きっとくだものをむいてくれる以外にも、この「手」は頭をなでてくれたり、抱きしめてくれたりするんだろうな、と想像力が広がります。
その「手」は梨、柿、栗を差し出してくれるときには長袖を、みかんの時にはセーターを着ていて、くだものの旬も教えてくれています。
さらに、常に食べやすい状態で差し出されていたくだものは、最後に自分でむくように促されます。子供に「自分でやってみよう!」という気持ちを持たせてくれると思います。