小さいときに一度だけ父がクリスマスに本を買ってきてくれたことがありました。この本は私の2歳上の姉がその時もらった本で、姉は「お父さんが買ってくれた本」ととても大事にしていたし、私もこれは“お姉ちゃんの本”として大事に思っていました。
そういう意味でも私にとって思い入れのある本ですが、客観的にみても、宝物のような絵本です。
なんといってもガース・ウィリアムズの絵が柔らかくて素晴らしい。うさぎ達のふわふわした毛の一本一本まで伝わってきます。そして、うさぎ達の表情の豊かなこと!それから白いうさぎの差し出した手(前足)をそっと包み込むようににぎる黒いうさぎの手の暖かさ。ほかほかと温度まで伝わってきそうです。
物語は「うさぎたちの結婚」を描いたもので、結婚する大人にプレゼントする人も多いようです。また、ポストカードとしてもよく目にします。私もちょっと気恥ずかしさがあって子ども達に読み聞かせたことはありませんが、もう少し大きくなったら、自分で読んでみて欲しいなと思う絵本です。