「ありがとうともだち」でこのシリーズにはまった次男が本屋さんで掴んで離さず、とうとう根負けして買いました。
まず最初に、キツネとオオカミのけんかのはげしいこと。いんちきだなんてちっとも思っていないのに、悔しさが抑えられないオオカミのイライラがびんびんと伝わってきます。拍車をかけるようにお天気も土砂降り。ざーざー雨の中をカサもささずに帰っていくキツネの悔しさもものすごく伝わってきます。
このあたりの描写は、文章も絵もものすごくうまいです!(お話には直接関係ありませんが、特にキツネのファッションはすごい!我が家では読むたびに話題になります)読者はぐいぐいと引き込まれていき、この先の展開がどうなるのかページを繰る手に力が入ります。
一夜明けてみるとかなり冷静になるものの、やっぱりあやまるきっかけが掴めない。そのうち怒りなんてすっかりなくなってしまっているのに、仲直りの一歩がどうしても踏み出せない。そして・・・。
兄弟でも友達でも、自分に近い人が出来ると、親しければ親しいほど、ぶつかったり競ったりしてしまいます。そしてあやまるというのは、かなり勇気のいるのもです。我が家の子ども達も「しまった!」という顔はしているのに、「ごめんね」が出るまでには、かなりの時間がかかります。
そんな子どもの微妙な心理をこの本は、ユーモアを混ぜながら本当に上手に描いています。
「ごめんね」が言える子どもになってほしい、なんて考えずに、素直に読んでしまいましょう。子どもは自分なりにきっと何かを掴んでしまうのですから。