1969年初版で102万部を発刊しているミリオンセラー。
私も子供の頃、読んだことがあるので、親子2代にわたって読みました。
文章についてはあまり記憶がなかったのですが、やはりこの滝平 二郎さんの切り絵が鮮明に残っています。
小学校の課題図書だったと思うのですが、とても感銘を受けた記憶があります。
「この 花さき山の いちめんの 花は、
みんな こうして さいたんだ。
つらいのを しんぼうして、
じぶんのことより ひとのことを おもって
なみだを いっぱい ためて しんぼうすると、
その やさしさと、けなげさが、
こうして はなになって、さきだすのだ。」
この頁の言葉の一つ一つに重みがあって、きり絵の美しさは人々を魅了して止まないことだと思います。
全てが、この頁に凝縮されているのではないでしょうか。
とても崇高な志だと思います。
小学校の自分は共感できたのですが、今の自分にとっては手放しで共感できない部分があるのです。
それは、この本の本質に自己犠牲の精神があって、それを全ての読み手に強いるのは無理がある気がするからです。
時代背景の差異があるにしても、素直に納得できないところです。
勿論、素晴らしい絵本であることには間違いありませんが、全てに賛同できないので、今回の評価になりました。