怖そうな昔話?なんて敬遠しないでください。
この絵と文章でないと伝わらない、静かな美しい世界があります。
私も、子どもが怖がるかな?と思いつつ
たまにはこんな本も、と一応読み聞かせてみたら・・・
上の子がじーっと聞き入り「もう一回読んで」が2回、
我が家の本棚に収まることになった本です。
山姥の方言交じりの語り口は優しく、心地よく
土に水がしみ込むように心に届きます。
誰かを思って我慢したとき、花さき山に人知れず花が開く・・・。
誰かを思って我慢する、なんて
自分の子どもにはあまりさせたくない。
だって人生損しちゃいそうじゃない。
我儘って言ってみるもんだよね、絶対聞いてくれる人っているんだよ。
そんな話を聞いて苦笑いしたこともあります。
今の時代、大人だって自分を守ることで精一杯。
だけど。
まだ小さな子どもが、
誰かに強要されたわけでもなく
見返りを期待しての行動でもなく
自分の大切な人(この本ではお母さんですね)を悲しませないために踏ん張っていることがある。
私も気付かないところで、そんな健気さに助けてもらっているかもしれません。
そんな透明な優しい気持ちが集まれば、きっと世界は本当に美しくなる。
我が家の、ちょろちょろしてばかりいる上の子も
私のために我慢していることがあるのでしょう。
また昔話だからこそ、あまり現実味が強すぎず
すんなり世界に入って行けたようです。
個人的には、死んでしまう八郎の話などは、自己犠牲すぎてちょっと・・・と思ったりもしましたが(本を読んでいたら違うかも)、
子どもにも大人にもおすすめです。