「いのちの尊さ」をテーマにした本ならいっぱいありますが、
この本で気に入っているポイントは
単純に「死んじゃってかわいそう」で終わらないところです。
主人公の「ぼく」は言います。
「すきだよ」と声に出して。
犬だからわからないとか、
「すき」なんて恥ずかしいとか、
「いわなくてもわかる」とは考えずに。
自分の気持ちを伝えるために、
素直に「だいすきだよ」と口に出来ます。
だからこそ「ぼく」は、
犬が死んでしまったときに悲しみこそすれ、
後悔はしません。
「もっとすきっていってあげればよかった」とは。
相手がペットであろうが人間であろうが、
私たち日本人は感情表現が苦手な方です。
夫婦間、親子間でも面と向かって
「愛してる」「すきだ」とは日常的になかなか言えません。
でもそれが大事、必要なんだと教えてくれます。
相手がいなくなってからでは伝わりません。
この本をよんだら、家族に向かって「好きだよ」っていえますよ。
もう恥ずかしくなんてないですよ。