とてもすばらしい絵の絵本でした。戦前に描かれたという挿絵は、若武者姿の桃太郎。おじいさんもおばあさんも細かい描写があるので、「写真みたい」、と4歳の息子がいいました。服装も背景も日本らしいし、本当に日本の昔話、って感じがします。
絵本の前後のページに解説があり、昔話・桃太郎のバックグランドがわかるので、こどもが大きくなっても読み続けていかれるような気がします。
ところで、このお話には猿が桃太郎のお供になる場面で、犬猿の仲を示すエピソードが入っています。
猿がきびだんごをもらって桃太郎のお供をすることになったとき、これをみていた犬が怒ってこういいます
「さるなど、いくさの役にたつものか」
すると猿もさけびます
「犬こそ、鬼の顔をみたら、まっさきににげだすだろう」
最初読んだときは、本文から話がそれる気がして気に入らなかったのですが、何度か読み返すうちに犬と猿は本来は仲が悪いと言われていることも教えられていいかな、と思うようになりました。