やわらかい語り口でらくらく読めるのに、西洋史の暗黒面のとっかかりがわかってしまうすごい本。お話風になっていて、ガリレオ等の実際の人物名は使われていません(巻末の、さらに詳しく知りたい人向けのコラムには書かれています)本編はもちろんのこと、この絵本を書いた安野氏の最後のメッセージが秀逸です。天動説は地動説にたどり着くために通ってこないといけない必然の道筋だった・・・でもそのために多くの犠牲も出したことを、「子供達は知っておく必要があると思う」とのこと。子供達は、障害のことであれ、環境破壊のことであれ、歴史の暗黒面であれ、知っておかなくてはならない。まったく同感です。年長になったらすぐ読み聞かせて長く手許におきたい絵本です。