昔、腕のいいきこりのじいさまが、山で一番高い木を切りに出かけました。鳥の巣がなかったか見に木に登った時、ばあさまが持たせてくれたおむすびの包みをてっぺんに結わえつけたまま下りてしまったじいさまは、お昼になって初めて、おむすびを忘れたことに気づきます。思わず「たいへんだー」と叫んだその声を聞いて、冬ごもりのしたくをしていたクマの夫婦はびっくりして、こりゃたいへんと、シカのところに飛んでいきました…。
題名から、どんな話か見当がつかないところに引かれ、借りてみました(笑)。「たいへんだたいへんだー」と言いながら、動物は次々に増え、騒ぎは大きくなっていき、何が大変かわからないままおじいさんのもとに揃って駆けつける動物たちがユーモラスです。わが家の子どもたちは、みんなでおにぎりを食べる場面がお気に入りです。繰り返しと擬音(ことばあそび)が楽しい一冊です。