「ああ、きっとホーバンさんのお宅には、こんなこんなお嬢ちゃんが実際にいるんだろうな!」と思いました。うちも二人の子どもがいて上が女の子。わが子の性格にゆえか、「お姉ちゃんになった幼い子を描いた本」としては、『ちょっとだけ』よりもこちらのほうが、我が家ではずーっとリアル!
甘えたいのに、両親はどうしても下の子に手間がとられ、自分は構ってもらえずとっても不満・・・そんな時にいじけて、怒って、拗ねて気持ちをぶつけるフランシス。そしてついに、両親に抗議して家出を決行します!その行先は・・・・なんともかわいいお話です。
私が感心したのは、フランシスの両親の態度です。「お姉ちゃんなんだから!」頭ごなしに怒るのはもちろんだめですが、ついついやってしまうのが「上の子が不憫・・・」と親が過剰に心配したり罪悪感を持ってしまうこと。私も何度上の子に申し訳ないとおもったことか・・・
でもフランシスの両親は「下の子が生まれたら、上の子はいままでどおりでいられないことは、ある程度仕方のないこと」と状況を受け止め、どーんと構えてフランシスに愛情を伝えます。親としてのこのブレなさ!うーん、スバラシイ!
お姉ちゃんになった子ども自身に読んであげるにもいいけれど、その親にとっても、「あるがままにその状況を受け止めて、上の子にも下の子にも自分が出来る限りの愛情を注ごうと思えばそれでOKなんだよ!」と言ってもらっているみたいで、元気になれる。
本当に良書だと思います。