山田洋次さんというと人情味と独特の語り口調。
山田洋次さんは落語も書いているのですね。
絵本の中にも枕があって、台詞が多い。
まさに落語の世界でござんす。
寅さんの口調で通せば楽しいのでござんしょうが、こちとらちいとばかり玄人さんの切れはない。
切れは名刀魚切丸にまかせて、面白さは絵本に任せて、しっかりと味わいさしていただきやしょう。
商売がどうにもうまくいかない古道具屋の甚兵衛さん。
成田山に祈願に出かけた帰りのとある百姓屋敷。
物干し竿がわりに大根をつるしたなぎなた一つ。
身重のおかみさんとうだつの上がらぬ亭主を相手に、巡り合った名刀魚切丸を手に入れようと悪戦苦闘。
この語りの多さは、ちょっと年少向けにはなれないかもしれませんが、寅さんの語り口調を思い出しながら楽しんでください。