ものすごく存在感のある絵を描く田中清代さんの作品です。
まず、文章のリズムが良いので、耳に心地よく、すっとお話に入って行かれます。どうしてみつこはとかげをペットにしているのかとか、どうしてとかげと手をつないでいるのかなんて考えなくても、なんとなくみつこととかげの親密さが納得できてしまうのです。
お話の構成も、
みつこととかげが通りを散歩→鳥達に出会う→トンネル
→トマト畑→とかげの国→トマト畑→トンネル→鳥達
→通りを散歩
となっているので、行って帰るというスタイルでわかり易いのです。
行って帰ったことで何が変わったのかというと、とかげのしっぽが青色から虹色になりました。そして、最初のシーンよりみつこもとかげも幸せ倍増なのです。
大きな盛り上がりなどはありませんが、どことなく不思議な感じが漂っていて、なかなか面白いお話です。
【事務局注:このレビューは、「みつこととかげ」こどものとも年中向き 1999年8月号 に寄せられたものです。】