『REALLY SPRING』という原題のニュアンスも味わいたいですね。
1956年発表された、『どろんこハリー』のコンビによる作品。
古風ですが、発想の豊かさ、色彩の美しさはやはり魅力的です。
もうすぐ春なのに、天気も悪く、木々もなかなか芽生えません。
暗い風景の中で、男の子が思いついたこと。
それは、自分たちで町を春にしようというアイデアだったのです。
みんなで、ペンキと刷毛とはしごを持って。
モノクロとカラーを上手く使い分けているので、
その色彩が映えます。
ところが、その晩のハプニング。
あまりにもあっけないだけに、ラストへの展開が鮮やかですね。
「ほんもののはる」の表現が素敵です。
子どもらしい発想と、楽しいペンキ塗り。
子どもたちにとってもきっと魅力的だと思います。