山のふもとの小さな幼稚園に、キツネが遊びに来ました。
キツネはうまく人間に化けているつもりですが、(SFドラマのスポックを連想する)どこか不自然な顔立ちで、すぐに見破られてしまいます。でもキツネと遊びたい子供たちは、気づかないフリをして、キツネを招き入れます。
幼稚園にとけ込み、時々気分を良くするキツネは、少しづつ元の姿に戻ってしまいます。
「ヒゲがすこしのびました」
「すこし耳がのびました」
このフレーズに息子はケラケラと笑い出しました。
「あっ‥」と、声を上げそうになるのをこらえる子供たちの様子がまた面白いです。
読み聞かせも、キツネが目の前にいるつもりで、笑いをこらえたり、ツッコミを入れそうな子に「しーっ」と合図したりして読み進めると、より楽しめるかもしれません。1994年の作品ですが、二俣英五郎さんの絵が懐かしさや素朴さを醸し出しています。