決して幼少期にこんな体験をしたわけではありません。
でも、とても懐かしい香りがしました。
そして、切なさで、胸がキュッとなってしまったのはなぜだろう。
きっと「ぼくとおおはしくん」のような友だちと無邪気に遊び、
他愛の無い事にひたむきに取り組んだ、
そんな私自身の楽しかった過去の香りがしたのかもしれません。
出来事の一つ一つまでは思い出せないのだけど、
楽しかったという思いと
そのぼんやりとした雰囲気だけが切なさとなってあふれてくるのです。
決して戻れない楽しかったあの頃。
そして、たぶん、もう、二度とあう事のないあの頃の友だちたち。
お互い今の生活をきっと幸せに過ごしているにちがいありません。
でも、決してあの頃のあの幸せとは違います。
その記憶や香りは私の何者にも代え難い宝物です。
それを思い出させてくれた一冊です。
最後に「かめた」が遊び場に戻ってきている絵だけが残されていました。
やられた!余韻を残されてしまった〜と思いました。
あれは本当に遊びに戻ってきたのでしょうか?
それとも、そのうちやってくるに違いないという二人の願望なのでしょうか?
私は前者であってほしいけど、
でも、後者であり、さらに、かめたはもう、戻らない。
・・・と推測しました。