絵は日の出町のごみ処分場問題にとりくんでらっしゃる、田島征三さんです。ユーモラスでありながら、すごみのある「おばけ」を描いてらっしゃいます。
「おばけ」自体は悪いものではないというメッセージが込められているにかなとも思いました。おばけを怖いもの、厄介な物にしてしまっているのは、私達人間の器の小ささや、先入観なのではないでしょうか。
また、最初は善意からおばけを捨てさせれあげていた村長が、次第に貢ぎ物の魅力に悪徳村長になって行く様子が生々しく描かれています。欲に目がくらんでいるのに、「こまっているひとを助ける」という大義名分を掲げている。そして、裏山からおばけがあふれてきても、それに気がついた村人を、さらに自分をも酒でごまかしている。なんと愚かな恐ろしい、でも、私達も一歩間違えると踏み込んでしまいそうな悪循環。
大人には耳に痛い話でした。私は、日の出村のごみ処分場問題をリンクして考えてしまうのですが、田島さんと日の出村の関係をしらなければ、もっと違った読み取りができたのではとも思います。
何も知らない子供達は、おばけの姿におもしろがっていました。もう少し大きくなったら、この話の伝えるメッセージに気がついてくれるのではないでしょうか?