児童書版で読みたかったが、図書館にこっちしかなかった。林真理子さんが、いくえみ綾さんとタッグを組んだ作品。
文章に無駄がなく読みやすく、人物もほどよく書き込まれており、お話もよくまとまって良かったけれど、良質な児童書が持つ震えるような心の響きはありませんでした。
いや子供の心の動きは(読み取れば)書いてあったと思うけど、だけどなにかどこか児童文学(子どもの心情に寄り添った物語)ではないような。子どもって、こんなかなぁ。もっと自立心もあるし親に迷惑かけたくない気持ちも強い。けれどそんな理想とは違う自分に落胆し、イライラし、上手に感情表現できなくて。そういうのがこの年代ではないかなぁ。
子どもと同じ目線ではない、大人が書きましたという感じ。
児童書のエンタメかなあ。
でも戦時中やこちらでの生活が活き活きと描き出され、グッと入り込んで一気に読みました。なんとなくばあばの山里の神社を連想。
大人目線で書かれているゆえ、ある程度自分を見下ろすことのできる年頃、ヤングアダルト〜大人にオススメしたい。