ジャネットウィンターさんの作品は、「バスラの図書館員」・「9月のバラ」「ワンガリの平和の木」「ニューヨークのタカ ベールメール」など好んで読んでいます。
こちらの作品は、読後「図書館らくだがやってくる」を即思い出しました。
ただし、こちらは“個人”の図書普及活動であることが異なります。
コロンビアの北部の町ラ グロリアに住むルイス・ソリアノさんという実在の人物の活動が描かれています。
本好きが高じ、書籍の置き場所に困るほどになった彼が決意したことは、本が一冊もないはるか遠い山の向こうの人たちへ届けようということでした。
彼が、子どもたちを前に読み聞かせている光景は、なんとも微笑ましく似たような経験のある方は、口元がほころぶことでしょう。
彼の活動は、今や大きくなり、2000年から2頭のろばに本を積み運び続けて、今や4800冊を超えたそうです。
これらの本は、彼所有のものから寄付を募り集まったものまでになったようです。
作者あとがきの中に出てくる“・・・、読書には、形を変えて大きくなっていく力があることをしっていました。”というソリアノさんについての解説の一文が印象に残っています。
“ 世界の子どもたちが、等しく子ども時代にふさわしい本と出合えるように”と願う一人としてとても感動しました。