タリバンに支配されているアフガニスタン。同時多発テロ前のアフガニスタンの様子が描かれています。
女性は外出を禁じられて外に出ることができません。
父がタリバン兵に捕らわれて、生活のめどが立たないパヴァーナの家族。
必要な買い物をするためとお金を得るためにパヴァーナは、髪の毛を切り少年の格好をして働き出すのです。
アフガニスタンの現状は、同時多発テロ後は、テレビなどで報道されてきました。
ただ、実際に住んでいる人たちがどう考えてどんな生活をしているかを知ることはありませんでした。
ここにあるのは、過酷で心が痛むような光景です。
そんな中でも人は希望を見い出して生きていこうとします。
パヴァーナのひたむきさ、アフガニスタンの現状を外へ訴えようとするウィーラ夫人の力強さなど、この現状を生き抜いて打破しようとする女性の力を感じました。
地雷がどこに埋められているかがわからないために作物を植えることができず、荒廃と飢えで苦しむ国民。
読みながら、どうしても震災後の被災地のことを重ねて、よその国の事という突き放した思いは持てませんでした。
どんな時にも人は生き抜かなくてはいけない。
11歳の少女やアフガニスタンの女性の生き方を通して、どんな時にも現状を打破する力を持ちたいと思いました。