「じっちょりん」という聞き慣れない言葉(名前?)に、
思わず惹き付けられてしまいました。
じっちょりんとは、花びらや葉っぱ、花粉や蜜を食べて生きている
小さな生き物のようです。でも、種だけは食べないんですね。
種を集めて、いろんな場所に種まきをしている姿に、思わず
ほっこりとしてしまいました。時々、「なんでこんなところに!?」
というような場所に植物が植わっていることがあるのですが、
なるほど、「じっちょりん」の仕業だったんだと思ったら、
納得してしまうのは私だけではないはず(笑)
じっちょりんを見たことがないのは、きっと彼らが隠れるのが得意だからなんでしょう。
彼らが植えているのは、ハルジオンやカタバミといった、いわゆる雑草と
呼ばれるような植物の種なのですが、決してメインにはなれないけれど、
たとえ誰も目に留めないような場所であっても、心をほっこりさせてくれる
小さな花を咲かせてくれているんですよね。
私は道ばたに咲いているそんな雑草が大好きなのですが、こんな風に雑草に
着目してくれたこの絵本に感謝、感謝です。
描かれた雑草の名前もちゃんと明記されているのが嬉しいですね。
じっちょりんは、本当に存在しているんじゃないかって思わせてくれる、
想像力をかき立てられるような、素敵な一冊だと思います。