北海道の森の中に、ひぐまの親子が住んでいます。
冬ごもりを前に、美味しく熟したやまぶどうの実を食べたり、
川で初めてのさけを獲りに行きます。
月明かりの中、「自分で獲りなさい。」と言われ、
挑戦するも、なかなか捕まえることができないひぐまのこ。
でも、「かあさんのように、水にもぐってみよう。」と気付きます。
こうして、さけの取り方を覚えていくのでしょう。
情景があまりにもリアルなので、まるで、自分もくまになって、
その場に居合わせているような感覚におちいりました。
それにしても、川に映った大きな月の影を、
さけと見間違うなんて子どもらしいですね。
ひぐまの親子のやりとりが微笑ましい。
美しい色彩と、力強い版画の絵がとても素敵です。
夕暮れのシーンや
ひぐまのこが大きな立派なさけをくわえて水から上がったシーン、
ラストの夜空にゆうゆうと泳ぐさけのシーンが好きです。