お兄ちゃんは、ちょっと驚かせたかっただけなのにね。
妹のマスミちゃんが、折り紙でうさぎを折っている横で、
お兄ちゃんは、ライオンの顔を折りました。
その顔に、人差し指と親指を入れて、
ライオンの口をパクパク動かしながら、
ふざけた声でうなってみました。
すると、ライオンの折り紙は、本物のライオンになり、
たたみが消えて、緑の野原に変わったのです。
うさぎはてんでばらばらに逃げ、マスミちゃんも、
「たべないでよう」と言いながら、
泣き泣きライオンを追いかけいってしまいます。
後に残ったお兄ちゃんは、林の中を、妹を探してかけまわります。
でも、どこにもいない・・・
とっても怖い思いをしたお兄ちゃんでした。
屈託のないマスミちゃんがとってもかわいいです。
季節は夏。夏の暑い日に、読んでみては。
あまんきみこさんの幼年童話です。
読んでもらう絵本から、自分で読む本の最初の本として・・・
不思議大好きっ子におすすめします。