魔法のホウキが、水を汲んだり掃除したりして働くと言うのはディズニー映画の「ファンタジア」で見たのと同じです。
「ファンタジア」は、1940年の映画で8つの作品から成立していました。
その中の一つが「魔法使いの弟子」で、ミッキーマウス演じる魔法使いの弟子が、勝手に魔法のホウキを使い、水汲みをホウキにさせるものの、止め方の呪文が分からず大洪水になるというものでした。
どこか、ファンタジアに原点があるような作品ですが、趣は全く違いました。
この作品のホウキは、未亡人のミンナ・ショウと仲良く暮らします。
でも、隣人達は、悪魔のしわざと決めつけて、ホウキを燃やしてしまうのです。
最後の大どんでん返しは、読んでのお楽しみですが、いつものオールズバーグの底知れぬ余韻ではなくて、ほっとした気持ちが残りました。
絵のサイズといい、セピア色の色調といい、計算され尽くした秀逸な作品だと思います。
壮大なファンタジーという訳ではありませんが、味わいのある作品で、オールズバーグの入門にも良いかも知れません。