最近、親子共々すっかり落語絵本にハマってしまいました。
「おにのめん」は、荒物問屋に奉公に上がっていた、お春という女の子が、道具屋さんからもらった、お母さんそっくりの福笑いのお面をたんすの引出しにしまっていました。
それを知った若旦那が、ちょっとしたいたずらのつもりで、鬼の面に摺り替えてしまったために、田舎のお母さんに何かあったのではないかと、お春は奉公先から家へ飛び出します。
この若旦那、たぶん、からかい半分、慰め半分したことが、大事になってしまって、お春のことをとっても心配している様子が描かれていて、見ている方は同情してしまいました。
さてお春は、道中、お腹がすいてしまって、いい匂いにつられ、草原に入っていくと、顔に草があたって痛い。
そこで持っていた鬼の面をつけて進んでいきます。
すると、そこにいた男達は、お春を見た途端「鬼やー!」と叫んで逃げていってしまいます。
実はこの男達、荒物問屋の隣の近江屋さんに入った泥棒で、お春は知らず知らずに泥棒退治をしてしまうというお話でした。
作者の後書きを見ますと、これは桂梅団治さんが演じた噺をネタに作ったそうです。
他の落語ネタと違って、ほのぼのしている点が絵本向きではないかと、描かれたそうです。
最後のおちもなかなかです。
鬼の目が垂れ下がっていて、可愛かったです。