「そらいろのたね」「たからさがし」のゆうじくんと思われる男の子が主人公ですが、このお話は、「そらいろのたね」から14年も後に書かれたものなんですね。ねことらくんの、ちょっぴりずるくて、身勝手なところも、「そらいろのたね」に出てくるきつねくんと似ていますね。でも、飄々とした感じが、物語り全体を、のほほんとした雰囲気で包んでいるような気がして、ゆうじくんもきっと「あれは何だったんだろう?」と考える暇もなく(?)お母さんの作ってくれたサンドイッチをぱくぱくと食べ始めたんじゃないでしょうか?子どもの世界(日常)って、こんなものなのかもしれませんね!
自分と相手がすり替わる、という設定はよくありますが、このお話のおもしろいところは、ねことらくんがゆうじくんに、「しっぽをぽんととって、ぽんとつけた」だけで、とりかえっこも、すり替えもおしまいの点! 娘は、からすが、ゆうじくんのしっぽを見て、「ネクタイにしたいから、よこせ」と言う場面で、「いやだあ!」と、真顔で心配しながら叫んでいましたが、お話の最後には、小声で再び「いやだ」。・・・「どうして?」と聞くと、「だって、ねこさん、いじわるだから。それに、ねこさんがしっぽをとっちゃうんだもん。ねこのしっぽは取れないよねえ?」と、急に冷静になって(?)考えていた娘でした。