私がモモちゃんと出会ったのは、もう40年以上前のことです。童心社の「ね、おはなしよんで」という本に、いろいろ納められていたお話のひとつ、<ママになんかわかんない>でした。わずかな挿絵しかないその本で、私は自分を投影してくっきりとモモちゃん像を描いていました。だから、後年、絵本が出ても手にする気は全くなかったのです。でも、先日、図書館で、この本が目にとまり、とうとうモモちゃん絵本初体験となりました。私のイメージとは全く違うのですが、決してイメージの邪魔になるようなうるささは感じませんでした。
お話の内容は初めて見るものでしたが、モモちゃんらしい行動と発想は、今でも、あの頃の自分に戻って共感できるなあ、と思いました。
ソースなんてこわくないって言うので、てっきりモモちゃんとソースの戦い(笑)かと思いきや、そうではなく、モモちゃんとピアノとへびとソースの話でした。
モモちゃんがピアノを練習する時の描写のしかたや、「はとどけいが、パポー、パポー、パポーってやっつもなきました」という表現や「ほんとさ、りんごいりのソースなんてのは、ことにうまい。それをだ、コロッケというやつに、たらりとかけてたべると、もっとよろしい。」といったセリフまわしに、ぐっときます。モモちゃんのお話独特の言葉の世界のような気がしています。