ドイツのエルチゲビルゲ地方は古くから手づくりの木のおもちゃで有名ですが、数ある作品の中で、Blumenkindというかわいい人形があります。それがこの絵本の中にいます。寒さの厳しいドイツでは、春を待つ気持ちや希望をこのような形で表したのかもしれません。春を迎える喜びが、静かに、穏やかに描かれています。そして冬が近づくと再び土のおかあさんの所に帰っていく根っこのこどもたち。これはまた必ず次の春が来ることを約束していると思いました。100年近く前に描かれた絵本ですが、たくさんの色と香しいにおいとにぎやかな虫たちの鳴き声が聞こえてくるような絵本です。