この絵本には「クリスマス」とついていますが、どちらかというと「マドレーヌ」シリーズの中の一冊といった方がいいかもしれません。
それほど「マドレーヌ」シリーズは世界中の子供たちに愛されてきた女の子だからです。
作者の¬ルドウィッヒ・ベーメルマンスは1898年にオーストリアで生まれています。16歳でアメリカに渡って絵の勉強をして、パリで「マドレーヌ」シリーズのインスピレーションを得たと、この絵本の巻末には書かれています。
1962年に亡くなっていますから、もう随分昔の人ですが、今でも絵本作家として人気があります。
人気の秘密はその絵の独特なタッチでしょう。
現代のコミックエッセイに描かれるような軽い線描のタッチが国籍を超えた人気を生んだともいえます。
きっと彼のタッチで勉強した現代のイラストレーターも多いのではないかしら。
さて、物語はクリスマスの前の夜のことです。
マドレーヌが暮らしている古い屋敷には12人の女の子が一緒に暮らしていますが、なんとその夜にはみんな風邪をひいて寝込んでいます。ただ「おちびで、ゆうかんな」マドレーヌだけが元気で、みんなの世話をしてあげています。
そこに絨毯売りがやってきます。彼はなんと魔術師でもあるんです。
なので、この魔術師の術で女の子たちは魔法の絨毯にのって家族のところに行ったりします。
クリスマスの夜って、なんだかそういうミラクルなことが起こりそうな気がします。
マドレーヌという「おちびで、ゆうかんな」女の子の魔法かもしれませんが。