酒井駒子さんの絵本は何冊か読んだことがありましたが、こちらと前作の「よるくま」はネット上でたまたまめぐり合うまで知りませんでした。試し読みであっという間に惹きつけられ、翌日の朝には大型書店へ。時期的にちょうどクリスマス関連の本が並べられていた中に2冊ともありました!
よるくまもかわいいのですが、何といっても主人公「ぼく」の素直でやさしい心が伝わってきます。一作目で突然現れたよるくまの、いなくなったお母さんを探しながらよるくまの家までついて行ってあげた「ぼく」。二作目では、クリスマスイブの日にママに叱られ、サンタさんが来ないのではないかとしょげている「ぼく」のところに再びやってきたよるくまが、今度は「ぼく」をなぐさめてくれます。
どちらも「ぼく」の夢の中のストーリなのですが、時間も忘れて繰り返しページをめくり続けてしまうくらい、大好きです。膝を抱えてしゃがみこんでいる「ぼく」の肩をよるくまが抱きしめているページのやさしさ、温かさは、切なくなるほどです。
ずっと、ずっと、いつも近くに置いて眺めていたい絵本です。